特許の権利化にかかる期間はどのくらい?

特許を取得するためには、出願から権利化まで一定の期間を要します。「特許 申請 期間」という検索キーワードで情報を探している方にとって、この期間は非常に気になる点でしょう。特許取得までの道のりは、いくつかの段階に分かれており、それぞれの段階で必要な手続きや期間が異なります。この記事では、特許出願から権利化までの期間を徹底的に解説し、スムーズな特許取得のための情報を提供します。

特許出願から審査請求までの期間:手続きの流れと注意点

特許を取得するための最初のステップは、特許出願です。特許出願とは、発明の内容を記載した明細書等を特許庁に提出する手続きです。出願後、出願番号が付与され、出願日は特許要件の判断基準日となります。重要なのは、出願しただけでは審査が開始されないということです。特許庁に審査を請求する手続き、すなわち「審査請求」を行う必要があります。この審査請求は、出願日から3年以内に行う必要があります。この期間を過ぎると、その特許出願は取り下げられたものとみなされます。審査請求を行うことで、特許庁による審査が開始され、特許付与の可否が判断されます。この審査請求までの期間、つまり出願から審査請求までの最大3年間は、出願人が発明の内容を精査し、必要に応じて明細書を補正する期間とも言えます。また、この期間を利用して、事業戦略や市場動向などを考慮し、特許取得の必要性を改めて検討することも可能です。手続きの流れとしては、特許出願書類(願書、明細書、特許請求の範囲、要約書、図面など)の作成・提出、出願番号の付与、審査請求書の作成・提出という流れになります。注意点としては、審査請求の期限を厳守すること、出願書類に不備がないよ うに十分に確認すること、特に明細書は発明の内容を詳細かつ明確に記載する必要があることなどが挙げられます。明細書の記載が不十分だと、審査において拒絶理由が通知される可能性が高まります。

特許庁の審査期間:迅速な権利化のための戦略

審査請求を行うと、特許庁による実体審査が開始されます。この審査期間は、特許庁の審査状況や技術分野によって異なりますが、近年では審査着手までに出願から平均10ヶ月程度、最初の審査結果が通知されるまでにはさらに数ヶ月を要するのが一般的です。審査結果は、特許査定(特許を付与する決定)か拒絶理由通知(特許を付与しない理由の通知)のいずれかになります。この審査期間を短縮するための戦略として、「早期審査制度」や「スーパー早期審査制度」があります。これらの制度を利用することで、通常よりも早く審査を受けることが可能になります。早期審査制度は、出願人が中小企業、個人、大学、公的研究機関などの場合に利用できます。スーパー早期審査制度は、さらに要件が厳しく、例えば、出願が実施されている場合や、外国関連出願である場合などに利用できます。これらの制度を利用することで、審査期間を大幅に短縮し、迅速な権利化を目指すことが可能です。具体的には、早期審査制度を利用することで、審査着手までの期間が平均2ヶ月程度に短縮されることが期待できます。また、特許庁の審査状況によっては、さらに早く審査を受けることができる場合もあります。 これらの制度を利用する際には、所定の要件を満たす必要があり、また、早期審査の申請を行う必要があります。

絶理由通知への対応と期間:権利取得を諦めないために

審査の結果、拒絶理由通知が送られてくる場合があります。これは、特許出願の内容に特許要件(新規性、進歩性、産業上の利用可能性など)を満たさない点があることを特許庁が指摘するものです。拒絶理由通知を受けた場合でも、諦める必要はありません。拒絶理由通知に対しては、意見書や補正書を提出することで反論や明細書の修正を行うことができます。意見書では、拒絶理由に対する反論を述べ、補正書では、明細書の内容を修正することで、拒絶理由を解消することを目指します。これらの対応を行う期間は、拒絶理由通知の発送日から原則として60日以内です(国内居住者の場合)。この期間内に適切な対応を行うことで、特許査定を得られる可能性を高めることができます。拒絶理由通知への対応は、専門的な知識が必要となる場合が多いため、弁理士などの専門家に相談することをお勧めします。適切な対応を行うことで、権利取得の可能性を高めるだけでなく、その後の権利行使においても有利になる場合があります。例えば、拒絶理由通知への対応を通じて、特許請求の範囲を明確にすることで、権利範囲を明確化し、将来の侵害訴訟に備えることができます。

特許査定から登録までの期間:権利発生の瞬間

拒絶理由通知への対応が認められるか、または当初の審査で問題がなければ、特許査定が通知されます。これは、特許を付与するという特許庁の決定です。特許査定が通知された後、登録料を納付することで、特許権が登録され、正式に権利が発生します。登録料の納付期間は、特許査定の謄本送達日から30日以内です。この期間内に登録料を納付しない場合、特許を受ける権利が消滅します。登録料を納付することで、特許原簿に登録され、特許公報に掲載されます。この時点で、特許権は正式に発生し、第三者に対して権利を主張することが可能になります。特許査定から登録までの期間は、登録料納付後、通常1ヶ月程度です。つまり、特許査定から約1ヶ月後には、特許権が正式に発生することになります。特許権が発生することで、発明を独占的に実施することができ、他社による模倣を排除することができます。

早期審査制度と期間短縮の可能性:スピーディーな権利化を目指して

前述の通り、特許庁では、早期審査制度とスーパー早期審査制度という、通常よりも早く審査を受けることができる制度が設けられています。これらの制度を利用することで、特許取得までの期間を大幅に短縮することが可能です。早期審査制度は、中小企業、個人、大学、公的研究機関などが要件を満たす場合に利用できます。スーパー早期審査制度は、さらに要件が厳しく、例えば、出願が実施されている場合や、外国関連出願である場合などに利用できます。これらの制度を利用することで、審査着手までの期間が大幅に短縮され、早期の権利化が期待できます。特に、ビジネススピードが速い分野や、競合他社に先んじて権利を取得したい場合には、これらの制度の活用を検討することをお勧めします。ただし、これらの制度を利用するためには、所定の要件を満たす必要があり、また、早期審査の申請を行う必要があります。そのため、事前に要件や費用について十分に確認することが重要です。また、早期審査制度を利用する場合でも、拒絶理由通知が送られてくる可能性はあります。そのため、拒絶理由通知への対応についても、事前に検討しておくことが望ましいです。

まとめ

この記事では、「特許 申請 期間」という検索キーワードに着目し、特許出願から権利化までの期間について詳しく解説しました。特許取得までの期間は、出願から審査請求までの期間、特許庁の審査期間、拒絶理由通知への対応期間、特許査定から登録までの期間など、いくつかの段階に分かれています。また、早期審査制度やスーパー早期審査制度を利用することで、期間を短縮できる可能性もあります。特許取得を検討している方は、これらの情報を参考に、計画的に手続きを進めることをお勧めします。特許取得は、時間と費用がかかる手続きですが、取得することで得られる独占権は、企業にとって大きなメリットとなります。そのため、しっかりと準備を行い、適切な対応をすることで、スムーズな権利化を目指しましょう。また、特許取得までの期間は、あくまで目安であり、個々の案件によって異なる場合があります。そのため、具体的な期間については、弁理士などの専門家に相談することをお勧めします。